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2011.02.08

顕微鏡の基礎知識〜オリンパステクノラボ編纂冊子より抜粋・改変〜 【第3回】顕微鏡の光学原理 〜光の性質〜

第3回〜第5回では、光とレンズの基本的な性質について学習する。
その上で、顕微鏡にとって重要な性能を表す分解能や開口数といった要素について理解する

1.光の性質

1-1.光の3つの性質

光はさわることのできる物体ではないが、その性質は眼で見ることのできるさまざまな現象で説明することができる。

「直線」としての性質
図1 「直線」としての性質

図1 「直線」としての性質

光には、一様な質のもの、たとえば、均質な板ガラスや空気、水などの中を直進する性質がある。直線としての光を「光線」と呼ぶ。
屈折、反射、分散、屈折率、全反射、収差などの現象は、光の「直線」としての性質から説明できる。

「波」としての性質
図2 「波」としての性質

図2 「波」としての性質

光は、横波として表現することができる。光の一周期の長さを波長、波の高さを振幅と呼ぶ。波長は色に、振幅は強度(明るさ)に影響する。波としての光を「光波」と呼ぶ。
回折、散乱、干渉などの現象は、光を「波」としてとらえると説明できる。

「粒子」としての性質
図3 「粒子」としての性質(りん光)

図3 「粒子」としての性質(りん光)

光は、粒子としての性質を持っている。粒子としての光を「光量子」あるいは「光子」と呼び、光のエネルギーを表わすのに都合がよい。
蛍光観察での蛍光色素の発光の原理などは光を粒子としてとらえて説明される。

コラム:波の性質

たとえば壁越しに誰かに声をかけたとき、その声は壁の向こうの見えない相手にも聞こえる。これは、音が波としての性質を持っているためである。つまり、音の波が遮蔽物(壁やドア)の影に回りこんで、その向こうの相手にまで届くことを示している。
光も音と同じように波の性質を持っているが、光は横波、音は縦波であるため、光と音の伝わり方は異なる。

1-2.光の屈折と反射

水中にあるものが歪んで見える、蜃気楼や虹が見える、鏡に像が写るなどは、光の屈折や反射によって起こる現象である。これらの現象は、光の「直線」としての性質から説明できる。

図4 光の屈折と反射

図4 光の屈折と反射

図5 プリズムによる光の屈折

図5 プリズムによる光の屈折

光の反射、屈折は次の式で表すことができる。

画像

顕微鏡では、標本を拡大するために、レンズによる光の屈折を利用している。
レンズによって光線が屈折し像が形成される様子や、像ができる場所・結像倍率などは、「光線」の幾何学的な作図によって求めることができる。

レベルアップ:屈折率とは?

屈折率とは、光が真空中を進む速度とガラスなどの媒質中を進む速度の比率のことである。

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ダイヤモンドが他の鉱石に比べてひときわキラキラと輝いて見えるのは、屈折率が2と大きいため、光がダイヤモンドの中をカット面でより多く反射して行き来するからである。

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