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2009.05.07

地方発!先進の画像測定ソフト開発メーカー社長に聞く 【前編】好きと得意を生かして独立。ITを活用し、もの作り現場を元気にしたい!

ドラマのようなオリンパスとの出会い

では、イノテックはオリンパスと、どのようにして出会ったのでしょう。「とてもドラマチックでした」と、伊藤氏は当時を振り返ります。測定顕微鏡の機能を拡張するソフトウエアを探していたオリンパスの担当者は、ユーザー同様にイノテックのホームページを見て問い合わせてきたそうです。

白羽の矢が立ったのは、大阪と名古屋のそれぞれ1社、そしてイノテックの合計3社。伊藤氏は、イノテックの母体である商社がオリンパスの競合メーカーの製品を扱っていたため、それを理由に不採用になるのでは・・・と、かなり心配しました。製品で負けるのなら仕方ない。ただ、そんな理由で負けるのだけは納得できないと考え、オリンパスの担当者にその思いを伝えずにはいられなかったそうです。

測定顕微鏡を前に社内で打合せをする伊藤氏

測定顕微鏡を前に社内で打合せをする伊藤氏

しかし、結果は「採用」。会社設立以来、「アプリケーションを開発する以上は、大手メーカーのカタログに載るようなものを作ろう。」と努力してきたという伊藤氏。「STM6-PLUS」のカタログに大々的に掲載されたのを見て、「夢が叶いました。」と一言。会社を支える苦労が長く大きかった分、大きな達成感を感じたそうです。

そんな伊藤氏は、普段どんなスタイルで仕事に臨んでいるのでしょう。「別の案件で、オリンパスの競合メーカーと話をする機会もあります。しかし、自分の中でスイッチを切り替えています。私はいつも、その案件ごとに対して真剣でありたいと思っています。」とキッパリ。

また、最近では納入先である顧客とも、深く付き合いながら営業をするスタイルに変わってきたそうです。「3年ほど前までは、一緒にお酒を飲むから買ってもらえるというのが嫌で、避けていました。今よりギスギスしていましたね。」しかし本来は、お酒が好きで、人と話すのも好きな伊藤氏。ありのままの自分を出し、それでもいいと言ってくれる人とお付き合いすることで、とても楽になったそうです。

「大都市圏に営業所を出し、広島に自社ビルを持ちたい。その先は・・・」
舞い込むチャンスを確実につかみ、5年後、10年後を見据えて着実に成長
中国新聞2009年4月10日記事より抜粋

中国新聞2009年4月10日記事より抜粋
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イノテックは、今また新たなステージを迎えています。東京大学大学院医学系研究科 関節疾患総合研究講座の岡敬之特任助教および株式会社東京大学TLOとの産官学連携です。ここで、X線画像による膝関節のすき間の面積や高さから、疾患の評価基準を数値化するという技術の開発を行っています。

元々は、イノテックが画像処理ソフト「QuickGrain」の開発ソフトに、広島TLOから特許を買わないかと持ちかけられたのがキッカケだったそうです。その後、実際に特許を購入し、開発・販売しているソフトを見て、今度は東京大学TLOからコンタクトを受けたというわけです。

東京大学に出向いて実物を見た伊藤氏は、「画像処理アルゴリズムが、あまりにも斬新で驚きました。」すぐに独占契約を申し入れました。2年の開発期間を経て、いよいよ、完成間近の段階までこぎつけました。

イノテックが開発中の医療分野ソフト

イノテックが開発中の医療分野ソフト

同じ画像処理とはいえ、医療分野での技術開発はイノテックにとって初めての経験です。「ビジネスの仕方も、今までの工業系とはまったく違い、戸惑う部分もあります。」と伊藤氏。基本的な姿勢としては、ソフトを開発して販売するというよりは、医療メーカーに対して画像処理エンジンを提供する、といった方向で考えているそうです。

このように、設立以来、着実に成長を続けているイノテック。今後はどのような歩みを目指しているのでしょうか。「景気が低迷している時期は、初めての分野をゼロから手がけるよりも、自社の得意分野での開発に力を入れ、他社と少しでも差別化できるように改良を加えようと考えています。」と、堅実な考えを示す伊藤氏。ソフトの開発環境を最新のものに置き換えるなど、次なる成長への土台固めをしたいそうです。

会社として、中長期の計画もあります。5年以内に関東か名古屋に営業所を持ち、10年以内には自社ビルを持つのが目標だとか。また、中国に進出した広島の別のソフトハウスとのつながりで、5年後ぐらいを目処に、現在のソフトの英語版や中国語版を出す構想もあるようです。すでにソフトも、多国語展開が可能な設計にしてあるそうです。伊藤氏は、「納品後のトレーニングで上海へ行ったとき、東京よりも街が大きいと感じました。ただ、ニッチな分野を扱う会社なので、社員一人一人の思いが分かり、自分もまた社員に思いを伝えられる範囲で大きくしたいですね。」と、夢を語ってくれました。

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