ホーム - ものづくりを支えるプロフェッショナル - 「行為のデザイン」を取り入れて開発した3D測定レーザー顕微鏡「LEXT OLS4000」 - 【第2回】

2009.10.01

「行為のデザイン」を取り入れて開発した3D測定レーザー顕微鏡「LEXT OLS4000」 【第2回】「行為のデザイン」と顕微鏡。融合に成功したプロセスを大公開

3D測定レーザー顕微鏡「LEXT OLS4000」

3D測定レーザー顕微鏡「LEXT OLS4000」

「行為のデザイン」を用いたレーザー顕微鏡「LEXT OLS4000」を開発した実際の開発プロセスとは、どんなものだったのでしょう。第1回で登場した株式会社ハーズ実験デザイン研究所 ムラタ・チアキ氏に加え、柳瀬氏、伊勢氏、和田氏にも参加してもらいワークショップに焦点を当ててお話を伺いました。

レーザー顕微鏡との関わり

画像柳瀬氏:
私たちは、生活に関わる普段使うアイテムを中心に、さまざまな商品を扱っています。そうした中で「LEXT OLS4000」は、我々が持っている通常の顕微鏡の概念を越えた存在でした。

画像伊勢氏:
このプロジェクト以前は、レーザー顕微鏡は、僕の生活にはまったく関わりのないものでした。仕事を通じて触ってみて、「なんて賢いやつなんだ、すごいな」と感じました。

使ったことがない機器をデザインするのには不安がありましたね。デザイン側から提案しても、制限が多くて、僕たちの出る幕はないんじゃないか、という点が。でも実際にやってみて、その不安は払拭されました。

画像和田氏:
顕微鏡とは、完全に“のぞいて”使うものだと思っていました。レーザー顕微鏡を使ってみて、「最近はこんなことになっているのか」と驚きました。僕は、それほど不安ではなく、むしろ面白そうだと思いました。ただ、顕微鏡の外観からいうと、ハンドルがあって、対物レンズが付いているレボルバーがあって・・・という、決まった形ができ上がっている。そのあたりは、あまりいじれないかな、と。

成功の可否が決まるワークショップのポイント
ワークショップ

ワークショップ

ムラタ氏:
ワークショップでは、レーザー顕微鏡を実際に見ながら、使い方も聞きながら自分で操作をしてみました。すると、自分がいまどこを見ているのか、分からなくなることに気づきました。あるいは、前に見ていた場所に戻ろうと思っても戻れないとか。やはり実際に使ってみると、いろいろ分かってきますし、そういう経験の中から、自分がいる場所や位置情報を俯瞰できる機能や、履歴がとれる機能というアイデアが出てきたと思います。「行為のデザイン」のワークショップを通じて、ソリューションとしてのインタフェースが完成したんじゃないかと思います。

マクロマップ機能

マクロマップ機能

和田氏:
顕微鏡らしい外観や、従来の操作画面とかを大事にしながらも、突き詰められる部分はあるんじゃないかと、ワークショップでは感じました。

柳瀬氏:
デザインと開発の間は、バトルになりがちです。デザイナーは好き勝手なことを言う、それに対し開発側は「そんなのできない」と言う。そこの部分でいかにタッグを組めるか、ハードルを超えられるか、ですね。今回は、両者のキャッチボールの中で、どんどんイメージが立ち上がっていったと思います。

チーム「LEXT OLS4000」をふり返って

伊勢氏:
オリンパスの開発者は好意的、協力的だと感じました。私たちもやりやすかったですが、オリンパスの皆さんも、すごく楽しんでいるように見えました。こちらの提案に対し、結構その通りにできている部分が多くて、嬉しかったですね。今までの経験だと、提案しても「ああ、無理ですね」と言われることも多かったのですが、今回は「一度検討してみます」と。それだけでも嬉しかった。

柳瀬氏:
デザイナーだけが空回りする場合があります。そういうときは、“いいもの”は絶対にできません。「なんだかワカラナイけど、こんなふうになっちゃいました」となると最悪です。

ワークショップ

ワークショップ

IT関係の製品は、制限があってダメな場合が多いですね。でも、そういった制限を、それこそ「ブレイクスルー」ですよね、中央突破するのか。あるいは、別の位相で考えるのか。状況に応じて考えて決めていくわけですが、デザイナーだけでもダメ、エンジニアだけでもダメ。どちらか片方ではできないと思うんです。両者が“組める”態勢にあれば力を発揮できますが、対立したら絶対にうまくいかない。今回は“かみあってる感”が非常にありました。

和田氏:
ワークショップ以外でも、連絡はかなり密に取り合いました。私たちも、絵だけ渡して「あとはよろしく」というやり方じゃなく、最後までとことん付き合う感じでした。それこそもう、半分、社員になったような感じで。我々のオフィスは大阪、オリンパスの研究所は八王子と遠いのですが、“心の距離”は近かったと思います。

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