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2011.09.20

「OLYMPUS Stream」開発者 ジャン・ルイ・ラバーニュ氏 インタビュー 【後編】お客様をよく知る中で見えてきた顕微鏡の改善点。劇的に変えた開発ポイントを大公開!

ジャン・ルイ・ラバーニュ氏

ジャン・ルイ・ラバーニュ氏

オリンパスの新しい「システム工業顕微鏡」は、正立/倒立金属顕微鏡の「BX/GXシリーズ」、デジタルカメラの「DPシリーズ」、そして画像解析ソフトウェアの「OLYMPUS Stream」の3つで構成されています。その中でも「OLYMPUS Stream」は、世界中のお客様の声を反映し、「操作性」「機能性」「拡張性」を徹底的に追求した、究極の画像解析ソフトウェアです。

そこで今回は、「OLYMPUS Stream」を開発したエンジニア、Dr.Jean-Louis Lavergne(以下、ジャン・ルイ)にインタビューを敢行。前編の開発経緯やコンセプトの内容に続き、実際の機能性・性能性・操作性についてご紹介します。

「対物レンズを交換すると、ソフトウェアの設定は自動的に変わります」
手動と自動の良さを“いいとこ取り”した画期的な「コードレボルバ」

グローバル企業である強みを活かし、オリンパスでは世界中のお客様の声を抽出。それから見えてきた3つのポイント(前編を参照)に対して大幅な改善を図り、それを製品に反映したのが「システム工業顕微鏡」になります。その中でも、顕微鏡とソフトウェアのスムーズな連携を可能にした「コードレボルバ」という、誰もが短時間で、ミスなく、高精度な解析・レポーティングができる機能について紹介します。

OLYMPUS Streamの操作画面

OLYMPUS Streamの操作画面(拡大

一般的に画像解析ソフトウェアには、デジタルカメラで撮影した画像に基づき、距離や面積を測るためのツールが用意されています。このとき、スケールを正しく設定しないと、適切な計測結果を得ることができません。そこで従来のオリンパス製品には、対物レンズの切り替えとソフトウェアの設定をスムーズに行うため、「電動レボルバ」というオプションが用意されていました。しかし、電動式で遠隔制御が可能な「電動レボルバ」は、お客様にとって、高価でスペースを取るなどの問題がありました。

今回開発された「コードレボルバ」は、電動でも単なる手動でもない画期的なユニットです。対物レンズの倍率を切り替えると、その情報がソフトウェアに伝えられ、お客様が何もしなくてもソフトウェアに設定が自動的に反映されます。設定が変更されたことは、画面でも確認でき、スケールバーにも反映されます。「コードレボルバ」によって人為的なミスはなくなり、常に正しい測定結果を得られるようになりました。

「すべてのお客様にとって使いやすいソフトウェアでなければ・・・」
見やすい画面、分かりやすい手順。レポート作成も“誰でも簡単に”

次に、「OLYMPUS Stream」の進化した操作性について紹介します。
「OLYMPUS Stream」の画面は、作業の各段階で必要な操作ボタンがタブ毎に集められています。例えば、デジタルカメラの画像を取り込む操作は、「取り込み」タブに集約されています。
各タブの作りは非常に分かりやすく、よく使うボタンは大きく表示されています。このため、タブを切り替えながら適切なボタンをクリックしていけば、必要な作業を順番に進めることができ、非常に効率的です。

さらに、レポート作成も非常に簡単になりました。
「あるお客様の声が、レポートを(Microsoft Office)Word形式で出力できるようにする機能の追加につながりました。その企業には多くの部署が存在し、部署毎にさまざまな顕微鏡や機器を使用していました。そこで我々は、頻繁に使う社員も、使用頻度が低い社員も、誰もが無理なくレポート作成をできるようにするにはどうすればよいか考えました。そして、最終的に、新入社員でもパートタイマーでも操作できるWord形式で出力する方法を思いつきました」(ジャン・ルイ)

観察画像

観察画像(拡大

分析レポートサンプル

分析レポートサンプル(拡大

「OLYMPUS Stream」では、ボタンを何回かクリックするだけで、デフォルトまたは自作のレイアウトを用いた見やすいレポートを作成できます。デジタルカメラで撮影した画像を貼り付けたり、グラフ化する操作も、直感的に行うことができます。

「大企業で大勢が使う場合もあれば、小さな会社で1人の従業員が使う場合もあります。業種や業態も、鉄鋼、半導体、化学、塗料などのメーカーや、大学、教育機関と多種多様です。しかし『OLYMPUS Stream』は、どのお客様にとっても使いやすいソフトウェアを目指しました」(ジャン・ルイ)

「お客様をよく知る中で見えてきた『システム工業顕微鏡』の改善点」
定量的な結果を自動的に得ることが可能。お客様の作業工数の削減が実現!

「システム工業顕微鏡」を導入することで、従来、個々に行っていた顕微鏡観察、撮影、計測、解析の作業を、一連の作業として連携させることができます。
さらに、分類、統計などの面倒な処理をソフトウェアに任せることが可能で、定量的な結果を自動的に得ることができます。つまり、今までかかっていた膨大な時間と手間を大幅カットさせることに成功しました。

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「システム工業顕微鏡のメリット。その1つは使いやすさです。そして2つ目がお客様のワークフロー=作業手順にフィットすることです。この2つによって“エブリバディ・イズ・アン・エキスパート”、つまり誰でも簡単に専門家になれるわけです。
このようなメリットを提供できるようになったのは、オリンパスが重要視している”お客様と密に接する”という行為からでした。お客様との接点をたくさん持ち、お客様のことをよく知ることは、お客様に良い製品を提供する企業として不可欠な姿勢だと考えています。
今後、コンピューターとの連携が当たり前となった画像解析ソフトウェアは、コンピューターそのものの技術に、より密接に関係してゆくと思います。今回の『OLYMPUS Stream』でも、数ギガバイトといった巨大な画像をスムーズに扱う技術を取り入れています。
今後は、精細な画像を取り込むだけにとどまらず、画像にさまざまな情報を盛り込むことにもチャレンジしていきたいです。いわゆる“メタ・データ”です。
例えば、顕微鏡の設定情報や誰がいつ撮影した画像か、といった情報です。画像と画像以外の情報を電子化し、ファイルとして保存できるようにしたいです」(ジャン・ルイ)

このように、「システム工業顕微鏡」は、オリンパスが目指す「デジタル化」時代へのソリューション。
オリンパスは今後も、お客様のニーズに対して過不足なく柔軟に対応し、末永くお使いいただける製品と仕組み作りに取り組んでまいります。

製品情報 システム工業顕微鏡
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