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2008.11.13

世界初!高品質を“見える化”したプランアポクロマート対物レンズ「MPLAPONシリーズ」

対物レンズ

対物レンズ

オリンパスは、2008年10月、顕微鏡トップメーカーとしてのプライドを賭けて、フラッグシップモデルとなるプランアポクロマート対物レンズ「MPLAPONシリーズ」を発売しました。この製品の最大の特徴は、「ストレールレシオを95%以上で保証する」ことです。
では、これはいったいどういう意味なのでしょう。開発者は、この一文にどんな想いを込めたのでしょう。

このコラムでは、MPLAPONシリーズを生み出したオリンパスの技術や、新レンズに関わった開発・製造スタッフによる誕生秘話をご紹介致します。

対物レンズのグレードとは

オリンパスでは、MPLAPON50×と100×の発売により、UIS2シリーズのラインナップが完成しました。これにより、用途や目的に応じた最適な対物レンズを選ぶことができるようになりました。とはいえ、UIS2シリーズは52種類もの豊富な対物レンズ群から構成されています。そこで最適な選択を行う際の基本となる、対物レンズのグレードについてご説明しましょう。

広視野に対応できることを示す「プラン」

「プランアポクロマート」のように、オリンパスの工業系対物レンズは、「プラン」という言葉で製品名が始まっています。これは元々、平らであることを意味する英単語「plane」に由来しています。つまり、「プラン」の名は、中心部から周辺部まで広い視野にわたり、ピントがキレイに合ってスッキリ見えるという特徴を示しています。こうしたプラン性は、工業系の対物レンズで重視される性能の一つです。

アポクロマート>セミアポクロマート>アクロマート

「アポクロマート」や「アクロマート」は、世界共通で使われる光学用語で、ピントを合わせる色数の違いを表しています。色数が多い方ほどグレードは高くなります。「セミアポクロマート」は両者の中間のグレードです。

ピント合わせの色数について説明する前に、色とピントの関係を説明しましょう。
目に見える光の色は、いわゆる“白”です。虹やプリズムなどの様子からもわかるように、白色とは、紫から赤までいろいろな色(波長)が混ざった状態です。そのため、厳密には、白色の光をレンズに通すと、個々の色(波長)によってピントの合う位置が異なり、色のにじみを生じさせます。これを「色収差」と呼びます。

そこで、特定の色に注目してピントのズレを無くそうというのが「色収差補正」の考え方です。
このとき、2色で色収差を補正するのが「アクロマート」で、その際の2色は、一般的に「赤」と「青」となります。アクロマートよりもグレードが高い「アポクロマート」では、3色で補正をします。ピント合わせの色としては、広範囲でピントを合わせるため、基本色としての赤と青に加え、より短い波長の紫が用いられます。

波長ごとの合焦位置

波長ごとの合焦位置

3つのグレードのうち、どれを選べばよいかは、用途によって決まります。例えば、小学生の実験ならアクロマートでも十分なほど。色のにじみが問題となる、専門的かつ高度な用途では最高グレードの3色補正された「アポクロマート」が最適です。

アポクロマート対物レンズのメリットとデメリット

MPLAPONシリーズは、各倍率(50×、100×)ともN.A.0.95(N.A.=Numeral Aperture、開口数)という高い分解能を実現しています。この数値は、例えば0.35μmしか離れていない点像を分離して観察できるほどの、高解像度を有していることを示しています。
また、N.A.が大きいことは、サンプルからの微弱な光を多く集めることができる(角度にして約140°)明るい光学系とも言えます。(同倍率の対物比較としてN.A.0.8の対物と比べると、約1.4倍の明るさを得ることが出来ます。)

観察画像 ウエハバンプ

観察画像 ウエハバンプ(拡大

ただし、現在の対物レンズ技術においては、解像度を上げるためにはレンズの先端からピントが合う位置までの距離(W.D.=Working Distance、作動距離)を短くせざるを得ない、というジレンマをかかえています。例えばMPLAPON100×の作動距離はわずか0.35mm、名刺ならば2〜3枚を重ねた程度の厚さです。このため、サンプル表面の凹凸が大きいサンプルの観察には適していません。
アポクロマート対物レンズは、表面形状が平面に近いサンプルの微細な箇所を見る観察に適しています。

この他にも用途、観察条件によって最適な対物を選択できるよう、オリンパスでは多くのラインナップを用意しています。