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2009.04.08

オリンパスならではの画期的な新技術!極薄ウエハを安全に搬送できるウエハローダ 【前編】時代のニーズに合わせて開発を続けたオリンパスのウエハローダ

ご存知でしたか?厚さ90μmのウエハを搬送できるウエハローダがあることを。

セミコン・ジャパンに参考出品された極薄ウエハ対応ウエハローダ

セミコン・ジャパンに参考出品された
極薄ウエハ対応ウエハローダ

オリンパスは、「セミコン・ジャパン2008」(2008年12月3日(水)〜5日(金)、千葉県・幕張メッセにて開催)にウエハローダを参考出品し、来場者の注目を集めました。なぜなら、このウエハローダには多くの人が信じていた“古い常識”をくつがえす、新しい技術が搭載されていたからです。

半導体業界に関わる多くの人は、「200μm以下の厚さのウエハは、顕微鏡に搬送できない」と考えているようです。しかし、ウエハローダの開発に長く取り組んでいたオリンパスは、市場におけるウエハ極薄化の傾向を、しっかり認識していました。そこで、極薄ウエハを安全に搬送できる新しい技術の開発に取り組んだのです。

ウエハローダとは

新しい技術について説明する前に、「ウエハローダ」について簡単に触れましょう。

ウエハ

ウエハ

「ウエハ」は、半導体分野においてICなどの素子を製造する材料として使われます。シリコンに代表される円柱状のインゴッドを薄くスライスするため、ウエハそのものは円形となります。

そうしたウエハを顕微鏡まで運ぶ装置が、「ウエハローダ」です。ウエハローダにセットされたウエハは、表裏にキズがないかを特殊な照明装置下で目視によってマクロ検査、その後、顕微鏡へと搬送され高倍率のミクロ検査を行います。これにより、担当者はウエハに直接触れることなく、キズや欠陥の検査をすることができます。

ピンセットによるウエハの取り出し

ピンセットによるウエハの取り出し

ウエハローダが使われる前は、カセットからピンセットでウエハを取り出し、目視検査や顕微鏡検査をしていました。しかし、人の手による作業にはミスがつきものです。カセットにウエハを出し入れする際、別のウエハにぶつけてキズつけてしまったり、最悪の場合、ウエハを落として割ってしまったりすることもありました。

半導体はその性能を向上するため、製造プロセスの微細化が進み、製造コストも増加してきました。また、最終品となるまで1カ月半から2カ月半もの長い時間を要するため、最終工程でウエハにキズを付けて不良品にしてしまうことは、とても大きな損害となります。そこで、人の手を介することなくウエハを安全に運ぶことができる、ウエハローダ=ウエハ搬送装置の必要性が高まったのです。

また、最近ではさまざまな業種、さまざまなメーカーの仕事を受託する工場(ファウンドリ)や、さらにテスト工程だけを専門に行うテストハウスが増えてきました。そのため、これらの企業は、ユーザーからウエハ取り扱い時における不良発生の防止、品質確保を厳しく要求されるようになり、2000年くらいから検査におけるウエハローダの使用は“必須条件”となり始めました。

オリンパスにおけるウエハローダ開発

オリンパスが、工業用顕微鏡の周辺機器としてウエハローダの開発を始めたのは、1985年にまで遡ります。当初は、どんな機械を作ればよいのか手探り状態で、カセットから顕微鏡へとウエハを搬送する仕組みも、ベルトの上をウエハが流れるという簡素なものでした。

しかし、この方式にはウエハにゴミが付きやすいという欠点がありました。そこで、ベルトを使わない「真空搬送」という方式を開発しました。その後、カセットから顕微鏡へウエハを搬送するだけでなく、表面のキズなどを目視で見るマクロ検査機能を持ったウエハローダが開発されました。

第一世代、第二世代のウエハローダ(1985〜1993)

第一世代、第二世代のウエハローダ(1985〜1993)

新技術開発のきっかけはいろいろありますが、ウエハの大口径化がきっかけとなることが多いようです。ウエハローダの開発が始まった1985年当初は、市場に出回っているウエハ径は、4インチ、5インチ、6インチなど比較的小さいものでした。また、搬送するウエハも、4インチ専用、5インチ専用と決まったサイズに特化していました。そのため、例えば4インチと5インチの両方を搬送したい場合は、ウエハローダの部品を一部交換する必要があったのです。

その後、市場では8インチ(200mm)、12インチ(300mm)とウエハの大口径化が進みました。と、同時に複数の径のウエハを同時に搬送するニーズが高まってきました。そうなると、その都度、人手で部品交換するのではなく、部品交換なしで混載できる兼用ローダーが求められるようになります。そこで、オリンパスでも径の違うウエハを混載できる機種を開発しました。

その少し前、1995年あたりからは、パソコンが一般ユーザーに浸透し始め、半導体の生産量が大きく伸びました。これに伴い、半導体プロセスの高精度化や高集積化が進みましたが、一方でこの副作用による歩留まり低下が顕著となりました。このとき、ウエハの表面だけでなく、裏面へのレジスト膜の回りこみやキズを目視検査したいという、新しいニーズが生まれました。

オリンパスは、こうした市場のニーズをとらえ、ウエハの全面検査が可能なウエハローダを開発しました。高品質なウエハの大量生産を、ウエハローダが支える時代が到来したのです。

第三世代、第四世代のウエハローダ(1994〜2009)

第三世代、第四世代のウエハローダ(1994〜2009)

このように、オリンパスは、時代が求める新しいニーズをくみ取りながら、ウエハローダを開発してきました。
その中で、最近特に求められているのは“薄さ”への対応です。1990年代、オリンパスのウエハローダで搬送するウエハのほとんどは、厚みが0.7mm程度でした。しかし最近では、携帯電話など最終製品の小型化、薄型化に伴い、そのコア部品である半導体も小さく、また薄くすることが求められるようになりました。

極薄ウエハイメージ

極薄ウエハイメージ

特に90μmの“薄さ”にまでとなると、それはまるで紙のようです(紙の厚みはおよそ100μm)。従来の厚みをもったウエハは割れるにしても“パリーン”といった感覚ですが、極薄ウエハの場合は割れるというより“裂ける”、“破れる”といった印象です。

このようなウエハを搬送するには、従来の延長線上ではない、技術のさらなるブレークスルーが求められました。

次回は、「技術のブレークスルーで難題を克服した次世代ウエハローダ」になります。お楽しみに。

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オリンパスならではの画期的な新技術!極薄ウエハを安全に搬送できるウエハローダ 連載一覧

【前編】時代のニーズに合わせて開発を続けたオリンパスのウエハローダ

【後編】技術のブレークスルーで難題を克服した次世代ウエハローダ